保守業務を切り出し、設計者が新規技術の開発に集中できる環境を構築

クライアントの概要

社名重工メーカーB社
事業内容国内高炉大手。鉄鋼アルミ・素形材・溶接の素材系事業、産業機械・エンジニアリング・建設機械の機械系事業、電力事業を展開。
組織規模11,200名

プロジェクトの概要

プロジェクト設備不具合対応における技術者の負荷軽減
実施期間約8か月
実施部署水素エネルギー室
サービス設計/DX

プロジェクトの背景

国内高炉大手として、高炉事業以外にも素材系や機械系、電気系などの事業を展開し、経営基盤は比較的盤石であった。一方で重工やインフラ関連の事業は市場の獲得に政府が絡むため、政府が主導するロードマップに沿った経営計画と開発計画の実行が求められる。

政府は当時より、石油原料減少への解決策として水素社会の実現を目指しており、水素自動車など水素燃料を活用する事業の拡大を図っていた。顧客は水素自動車の燃料を供給する水素ステーションで使用される水素圧縮機を製造しており、水素インフラの拡大に応じた製品の開発・製造・普及が求められている。このため従来の内燃機関を開発してきた部門から、圧縮流体を石油燃料から水素に置換した組織を立ち上げた。

抱えていた課題

  • 水素圧縮機は分子で最小サイズの水素が流体であるため、水素リークの課題の解決が難しく、設計、製造、保守すべてのフェーズで課題となっていた
  • 現場の保守対応に設計メンバーが駆り出され、設計業務に時間を割けない
  • 保守業務を整理し、設計部門から完全に移管する必要があった
  • 水素圧縮機の開発ロードマップや市場動向が国や他社に依存しており、事業計画と開発計画のリンクが難しい

実施内容

プロジェクトのゴール

  • 水素ステーション向け設備不具合対応における技術者の負荷を軽減する

実施内容

  • 作業手順書の作成
  • トラブルシューティングの作成
  • 圧力データ分析による故障予知支援ツール
  • 設計者支援チームの構築

取り組みのポイント

  • 保守作業の整理プロセスを設計部門から移管するために、顧客組織内に設計者支援チームを構築
  • 設計者が何気なく作業しているノウハウの整理
  • 保守業務を外部へ委託しているため、皆が同じ品質で作業できる手順書の整備

成果物

  • 作業手順書
  • トラブルシューティング
  • 設計者支援チーム

成果

  • 保守業務への設計立ち合い時間削減
  • トラブルシューティング整備による作業時間削減
  • 教育マニュアル整備による教育準備時間削減
  • 作業手順書作成の社内対応
  • 設計者が設計に集中することによる製品品質の向上
  • 設計支援チームの発足と業務移管の仕組みの構築

お客さまの声

水素圧縮機の知見がないにもかかわらず、水素技術に関する話をすぐに理解し整理していただいた。アウトプットの品質の高さにも驚かされた。プロジェクト後も定期的に連絡をいただいており、別の企業へも紹介している。

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