大好きな現場で、クライアントと一緒に汗をかける喜び。【退職インタビュー追加】

コンサルタント
2023年中途入社 中村 ユセフ(ドローンメーカー出身)


【略歴】

航空、ロボティクス業界出身。米国や日本でドローンやロボットなどのプロダクトの開発者として5年、その後自社を立ち上げ、スマート農業や物流などの自動化、省力化に携わる。事業売却後、2023年11月よりオーツー・パートナーズに参画。(2025年7月に退職し、起業)

軍需産業の中で、ドローンやその他ロボットの企画~設計開発~導入までを経験。自動車業界や工場、土木インフラ系における複合プロジェクトにおいて、いち早くプロトタイプを作成して実証実験を重ねるプロセスの高速化を得意としている。

【趣味】 動物の観察と写真撮影

【座右の銘】無欲は怠惰の基

「ここまでやるか!?」のうれしい驚き

「口も出しますが、手も出します」のモットーに共感し、オーツーに入社して半年。想像以上にしっかり入り込みながら仕事ができることに、うれしい驚きを感じています。お客様とコンサルタントというより、同じ会社の一員という感じ。クライアントと一緒に汗をかきながら、ああでもない、こうでもないと試行錯誤する毎日を楽しんでいます。

今、私が担当している企業は、作業支援ロボットの開発と販売に取り組んでいます。これは、4本のタイヤで自走し、人間の後をついて回りながら重いものを運んでくれるロボットです。100kgまで搭載可能で、ブロックや資材も運べるため、人手不足に悩まされている建設現場や農業での活躍が期待されています。

実は、似たような台車ロボットはけっこう販売されていて、競合も少なくないのですが、この会社の製品には、他社には真似できない安定感があります。というのも、親会社が100年の歴史を持つ自動車部品メーカーなので技術力が高く、足回りがとにかく強いんです。泥でぬかるんだ道も、ゴツゴツした不整地も自由自在。小回りも効きますし、障害物はしっかり避けてくれる。ユーザーの使いやすさや安全性を考え抜いてつくられた、すばらしいロボットだと感じています。

私たちコンサルタントに課せられたミッションは、このロボット設計の支援と、製造、営業、販売に至るまでの業務改善です。現在、目標に向けて支援を続けています。厳しい目標を設定していますが、製品力は間違いなくあるので、不可能ではありません。具体的な営業の進め方を確立し、現場に浸透させていけば必ず達成できる。そのために、今全力で取り組んでいるところです。

これまでの営業のやり方を、徹底的に見直す

私たちが達成すべきミッションは、もう一つあります。それは、営業フローの見直しです。この作業支援ロボットは、いつか人の労働を完全に代替できる存在になることを目指してつくられたものです。そのためには、ユーザーの声を拾いつつ、製品に反映させていくことが必要です。ところが、これまでの営業方法は、製品のメリットをアピールするだけのやり方でした。ユーザーから「こういった機能があればうれしい」「こんなこともできれば便利ですね」といった意見が出ても、「そういう機能はないんです」で終わってしまっていた。「これではもったいない」と、私たちは考えました。

このロボットを今後もっと進化させ、会社の成長を目指していくためには、市場のニーズに合わせた製品をつくり、販売していく「マーケットイン」の戦略に転換したほうがいい。そう提案し、新しい方向性が決まりました。マーケットインの形を取るためには、ユーザーのリクエストをいかに引き出し、すくい上げていくかがカギになります。そこをスムーズにやっていけるように、私たちはクライアントの営業先にも同行し、アドバイスなども行っています。

大好きなものづくりの現場に携わりたかった

前職はエンジニアで、主に機械学習の機能を持つ製品の設計、販売、導入支援を行っていました。具体的には、スマート農業や物流業界で利用されるドローン、自走ロボットなどです。そのころから「技術の向上だけでは解決できない問題」に何度も直面しました。いくら技術を磨いても、現場の業務フローから変えなければ、どうにもならない。そういう壁にぶち当たるたびに無力感に苛まれ、「いっそ現場に行って改革したい」という気持ちがふくらんでいました。今は、まさにやりたかった仕事ができていることに、喜びを感じています。

私は製造の現場がすごく好きで、製造業に携わりながら、自分が培ってきた知見も活かせるということで、オーツーへの入社を決めました。

正直にいうと、以前はコンサルタントというものにあまりポジティブなイメージがありませんでした。「言葉は巧みだけだけど、実際には何もしないじゃないか」と思っていた。だからこそ、「口も出しますが、手も出します」というオーツーの姿勢に、強く惹かれたのだと思います。 今は、ほぼ毎日クライアントの現場に行っています。クライアントと同じ目線で、「もっとよくしていこう」とチャレンジを続ける日々は、本当にやりがいがあります。

製造業の未来のために、自分の強みを活かしたい

日本の技術力は、間違いなく世界でもトップクラスです。小さな町工場の職人さんが「世界でこの人しかできない」という技術を持っていることもある。同じことを機械で再現しようとしても絶対にできないんです。「なぜこれができるんだろう!?」と驚愕したことも、一度や二度ではありません。その一方で、技術が属人化されている割合も、日本はまたトップクラスだと思います。職人さんの引退によって、すばらしい技術が世界から消失してしまうという残念な例も、山ほど目にしてきました。

こういう技術を、いかに将来につなげていくかが、これからの日本の製造業の課題です。それを解決するために、私は何ができるだろう……ということを、常々考えています。職人の技術を完全に再現できる機械を開発するのか。または、職人の技を明確に言語化し、マニュアルにしてほかの人でも再現できるようにするのか……。まだ答えは出ませんが、いつかこの課題を解決したいと思っています。

まだ入社したばかりですが、オーツーの社員は、みんな非常にプロ意識が高く、深い専門性を持っていることに驚いています。誰かが何かの専門家で、尖ったバックグラウンドを持っている。誰に何を聞いても、レベルの高いアイデアをもらえるのが、とても心強いです。いずれは、「この仕事はユセフじゃないと任せられないな」と、言ってもらえるような存在になれたらうれしいですね。


【退職インタビュー】
挑戦と成長の1年半を経て、新たな船出へ

オーツー・パートナーズでは、様々なバックグラウンドを持つ人材が集まり、互いに刺激し合いながら成長しています。約1年半前に入社した中村ユセフさんは、その独自の視点と行動力で多くのプロジェクトに貢献してきましたが、新たな挑戦として再び自らのビジネスを興すことを決めて退職することになりました。入社以来、週4日はオーツー・パートナーズ、週1日はベンチャーキャピタルという複業スタイルで働いてきた中村さんに、オーツー・パートナーズでの学びや経験、そして今後のビジョンについて語っていただきました。

オーツー・パートナーズとVC、二つの仕事

入社時からオーツー・パートナーズと同時にベンチャーキャピタルにも所属し、1週間のうち80%はオーツー・パートナーズで、残りの20%はVCでの仕事に従事しました。両方の経験が私の視野を広げてくれたと感じています。

VCではスタートアップ企業の技術面からの評価を行ったり、実際にスタートアップ企業の内部に入り込み、内情をよく知るステークホルダーとして口を出し、会社の改善を提案・実行する仕事をしたりしていました。オーツー・パートナーズでの仕事というのは、物事をすごく深堀りして問題を改善していくことが多いのですが、それに対してVCでの仕事は問題を改善していくということは一緒でも会社という組織を広く見て、その中で正確に問題点を探し出して改革につなげていくといったやり方が中心でした。

二つの仕事で学んだことというのは根底でつながりつつ補完的であり、シナジーがあったと感じます。深さと広さ、両方の視点でモノづくりやビジネスを見てきた経験は、私自身の今後の仕事に生きていくと感じています。

多様なプロジェクトで得た価値ある経験

オーツー・パートナーズでは、約1年半の間に提案やサポートを含め、数多くのプロジェクトに関わり、主要メンバーとしても3つの大きなプロジェクトに携わりました。

PMOやPMの補佐として参画することが多かったですが、設計図作成、手順書作成、図面作成、物品発注、テストなど実務的な作業も担当しました。その意味で、「口も出しますが、手も出します」というモットーをよく実践させてもらえたんじゃないかなと思っています。

特に印象深かったのは、抽象的なコンセプトをそのままの形で磨き上げていくという挑戦でした。一般的なコンサルティングでは具体的な解決策や数値目標を提示することが多いですが、このプロジェクトでは『工場全体をどう改善すれば、そこで働く人々がより生き生きと働けるか』という、より本質的な課題に向き合いました。

エンジニアリングの視点でモノづくりに関わることは多かったのですが、それを人の視点から捉え直す経験は非常に新鮮でした。お客様と一緒にワークショップを重ね、共に学び、考えを深めていくプロセスは、私自身の視野を大きく広げてくれました。最終的には役員の方々からも高い評価をいただき、『続きもぜひまたお願いしたい』と言っていただけたことは大きな自信になりました。

新たな挑戦への一歩

退職後ですが、新しい会社を作ります。オーツー・パートナーズ入社以前にも自分の会社を経営していましたが、入社時にはもちろん「また自分の会社をやろう」という気持ちはさらさらありませんでした。それが仕事を通していろんな人や会社、技術との出会いがあって新たな事業のアイディアというのがいくつか生まれました。

私はもとより「エンジニア」としてモノづくりをしたい、という気持ちが強かったのですが、それに「コンサルタント」としての経験が加わり、より高い視座を持てるようになったこともあって、「じゃあ、自分が作ってみたいものを自分で作ってみよう」と思ったというのが、経緯です。

去年の9月ごろからこういった話を、上司や社長の松本さんともお話させていただきました。「いいね」「ユセフさんらしい」と言ってくださり、応援してくださっているようでとてもうれしく思ってます。

すでに自治体や大学とも連携して創業の準備が進んでいます。かなりチャレンジングな操業にはなると思うのですが、とてもやりがいがありますし、「日本の製造業を元気にする」というマインドを持ち続けて進んでいきたいと思います。

オーツー・パートナーズという特別な場所

オーツー・パートナーズは従業員100人程度のコンサルティング会社としては決して大きな規模ではありませんが、そこに集まる人材の質は驚くべきものがあります。私のような『変わり種』を受け入れ、その個性を尊重し、成長を支援してくれる文化があり、ユニークで本当に良い会社だなと感じてます。繰り返しになりますが日本の製造業を元気にするという理念に共感していることには変わりなく、これからも日本の製造業の活性化に貢献できるような事業を育てていきたいと思います。

オーツー・パートナーズとの縁はこれからも大切にしていきたいですし、これだけ優秀な人が集まるのですから、今後は支援をお願いすることもあるかもしれません。今後もOBとして良好な関係を築きながら、一緒に日本の製造業を元気にしていきたいと思っています。



東京都が推進するスタートアップ支援事業「TOKYO SUTEAM」において、協定事業者やスタートアップ・起業家同士のネットワーク構築を目的としたイベント「TOKYO SUTEAM DEMO DAY 2025」が開催されました。そのイベント内で開催されたピッチコンテストの「創業部門」にて中村さんが最優秀賞を受賞しました。
流体力学×金属3Dプリンターで挑む 社会課題を解決する船舶用プロペラ | NIKKEI THE PITCH

【上司からのメッセージ】
取締役 勝見靖英


中村さんと最初に出会ったのは、面接前のカジュアル面談。圧倒的な実績と人懐っこさに惹かれ、私のメモには「おもしろww」と書いてました。複数の名門トップファームの内定を辞退し「何か違う」と語った彼に、「うちで再び火を灯したい」と思いました。米西海岸の複数大学で学び、自らの技術力で起業を重ねた熱すぎる想いを持つ規格外な人材。こんな優秀な人材に「もう一度」起業してもらいたい、そしてビジネスパーソンとしてさらに成長してもらいたいと強く思いました。コンサルタントへの志望と同時にベンチャーキャピタルへの関心を聞き、当社株主のVCとの橋渡しを行い、副業として両社での活躍を実現。彼の可能性を最大限引き出すサポートができたことは本当に良かったです。
製造業への想いは当社と完全に一致しており不変のものです。今回の新たな挑戦が日本の未来を創る力になると確信、心から応援しています。

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