日経ものづくり/体質改善3D設計 第2回 7つのパターン別活動指針 ~弱点克服の方向性を把握する~

技術ディビジョン・シニアコンサルタント 宮木邦宏

 

自分たちは、3次元設計開発プロセスの構築においてどの部分に弱点や問題点を抱えているのか─。前回(2010年4月号)は、それを客観的に把握するための「プチアセスメント」を紹介した。
今回は、そうした弱点や問題点を克服するにはどのような活動を推進していくべきかを示す「活動類型」について解説する。
前回紹介したように、筆者らはプチアセスメントの結果から、さまざまなユーザーの3次元設計開発の状況を、弱点や問題点別に7通りに分類(活動類型と呼ぶ)している。まず、それぞれの類型の特徴と、弱点や問題点の克服に向けた推奨すべき活動を説明しよう。

 

■理想ともいえる「堅実型」

 

取り組み内容のA~Dのすべてが○というユーザーが属するのが「堅実型」。「あるべき姿」に向かって、堅実に成果を積み上げているケースだ。設計開発プロ セスの改革に向けた責任者が存在し、現場も3次元設計の特性を理解している。計画がきちんと立てられており、その成果も検証されていることが多い。理想型 といってよいが、これまでの我々のアセスメントの実施結果では、この類型に当てはまるケースは1割程度しかない。
堅実型の場合、取り組み内容E~Hにおいて、まだ十分に満足できないところが残っていても、今の活動を継続していくことで改善でき、高い設計開発力の維 持・向上が可能と思われる。ただし、成果の刈り取りを重視しすぎると、現場の満足度と乖離する場合が出てくるので注意してもらいたい。

 

■合意形成必要な「導入失敗型」

 

「導入失敗型」は、取り組み内容A~Gのすべてが×のユーザーが当てはまる類型である。平たくいえば、「3次元CADを導入したものの、設計実務に使って いないか、無理やり使っている」場合だ。現状の3次元CADに満足していないという形で問題が表面化する点に特徴があり、3次元設計開発プロセスの構築に 向けた、いかなる改革も進んでいない場合が多い。
この類型になるのは主に、
・3次元ベースの設計手法に移行していない
・2次元図面での作業で十分に仕事がこなせているため3次元設計にメリットを見いだせず、設計者や管理職が3次元化に積極的ではない
といったケースだ。ほかにも、3次元設計の導入が十分な合意の下で行われていない、導入時の検討が不十分で設計者にそっぽを向かれている、設計者は積極的でも管理職が実務への適用を拒否している、といったケースも散見される。
この類型では、導入もくろみと達成目標が共有できていないという、導入失敗に至る明らかな理由が根底にあるため、対処方法を見つけやすい。半面、ネガティブ要素が大きく、解決に困難を伴うケースも少なくない。
従って、まずは現状分析と意識調査を実施し、詳細に問題を把握した上で、対象部署の合意を形成していくことが最初の作業となろう。その上で、もし導入済み の3次元CADが要求に合っていないのであれば、あらためてどのような目的やもくろみで3次元CADを利用するのかをまとめ、傷が浅いうちに思い切って CADの選定・導入からやり直すといった判断も必要である。
設計者や管理職が3次元設計にメリットを感じていない場合には、どうすれば便利と感じるようになるのかを分析し、そのための仕組みを先に整備するといった 活動を、推進者を決めて実施すると有効なことが多い。ただし、これには強いリーダーシップが必要である。ボトムアップでは限界があるため、トップダウンの 活動にしていくことが大切だ。

 

(続きは、下記よりPDFをダウンロードしてご覧ください)

 

出典:PDFを含む掲載記事は、日経BP社『日経ものづくり』 2010年4月号 p72~78「体質改善3次元設計」より、日経BP社の了承の下、掲載しております。

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